まず,$\delta$ と $\gamma$ の値を$\delta=0.1$, $\gamma=0.1$ に固定し,
初期値を $(x_1,x_2)=(0,0)$ とおき,
$\omega=1$ に対して計算を行う.
- "vdp8.py"を使用
$t\to\infty$ のとき $x(t)$ は周期軌道に漸近する.
次に,$\omega$の値を $\omega=1.1$ に変え,
初期値 $(x_1,x_2)=(0.01,0)$ に対して計算を行う.
- "vdp10.py"を使用
$t\to\infty$ のとき $x(t)$ は周期軌道には漸近していない.
このような軌道を準周期軌道という.
前のページで示された,$\gamma=0$ のときの周期軌道の振動数
と外力の振動数をもつような振動波形となっており,
その2つの振動数が近いため,うなりを示している.
上の場合において,周期外力の作用するダッフィング方程式のときと同様に,
外力の1周期毎に点 $(x_1(t),x_2(t))$,$t=0\mod T=2\pi/\omega$,をプロットし,
ポアンカレ写像
\[
(x_1(0),x_2(0))\mapsto(x_1(T),x_2(T))
\]
の軌道を描いてみる.
- "vdp11.py"を使用
ポアンカレ写像の軌道は閉曲線を描いいる.
この閉曲線を不変サークルという.
なお,ここで最初の100点はプロットされていない.
次に,$\delta=0.1$, $\gamma=0.1$ に対して
$\omega$ を0.9から1.1まで増加させたときの定常状態における
$x_1(t)$,$t=0\mod T$,の値をプロットして得られる分岐ダイアグラムを計算する.
- "vdpb1.py"を使用 (計算時間は少々かかる)
$\delta,\gamma=0.1$ に対する分岐ダイアグラム
$\omega=0.975$ と $1.025$ 付近で定常状態は準周期軌道から周期軌道,
周期軌道から準周期軌道に変化している.
このように,外力の作用により,
準周期軌道が (外力の周期の) 周期軌道に変化する現象を
引き込みという.
$\gamma$ の値を大きくし $\gamma=0.5$ として
$\omega$ を0.5から1.5まで増加させて分岐ダイアグラムを計算する.
- "vdpb2.py"を使用
$\delta=0.1$,$\gamma=0.5$ に対する分岐ダイアグラム
引き込みが起こる振動数 $\omega$ の範囲が大きくなる.
次に,$\delta,\gamma=1$ とし,
$\omega$ を0.4から1.6あるいは0.6まで増加させて分岐ダイアグラムを計算する.
例えば,$\omega=0.508$ のとき
$\omega=0.542$ のとき
$\omega=0.455$ のとき
このように,周期外力の作用するファン・デル・ポール方程式の挙動は
非常に複雑なものとなる.
プログラム vdp12.py〜vdp16.pyの"w=0.508"等の行を変更して,
他の $\omega$ の値に対する挙動がどのなるか確認しよう.
また,プログラム vdpb1.py〜vdpb4.pyの"d=0.1"や"g=0.1"等の行を変更して,
異なる $\delta$ や $\gamma$ の値に対して
分岐ダイアグラムがどのように変化するか調べてみよう.
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Latest Updating is on March 6, 2024.