■ 周期外力の作用するファン・デル・ポール方程式
\[
\frac{d^2x}{dt^2}-\delta(1-x^2)\frac{d x}{dt}+x=\gamma\cos\omega t,\quad
x\in\mathbb{R}\quad
\text{($a_1,a_3,\delta,\gamma,\omega$ は定数かつ $\delta,\gamma,\omega>0$)}
\]
または
\[
\frac{dx_1}{dt}=x_2,\quad
\frac{dx_2}{dt}=-x_1+\delta(1-x_1^2)x_2+\gamma\cos\omega t,\quad
(x_1,x_2)\in\mathbb{R}^2
\]
ファン・デル・ポール (Balthasar van der Pol) は,
1926年と1927年に発表された論文(後者はファン・デル・マーク (van der Mark)
との共著)において,
上の微分方程式あるいは対応する電気回路について調べたので,
方程式には彼の名前が付いている.
まず,$\gamma=0$ の非同次 (外力) 項がない場合を考える.
$\delta$の値が小さい$\delta=0.1$ とし,
初期値を $(x_1,x_2)=(0.01,0)$ に取り,計算を行う.
- "vdp2.py"を使用
$t\to\infty$ のとき $x(t)$ は周期軌道に漸近する.
初期値を $(x_1,x_2)=(5,0)$ に取り,計算を行う.
- "vdp4.py"を使用
再び,$t\to\infty$ のとき $x(t)$ は周期軌道に漸近する.
次に,$\delta$ の値を $\delta=10$ に変え,
初期値 $(x_1,x_2)=(0.01,0)$ に対して計算を行う.
- "vdp6.py"を使用
$t\to\infty$ のとき $x(t)$ は周期軌道に漸近するが,
その周期軌道は $\delta=0.1$ の場合とは大分異なり,
$x(t)$ は滑らかでゆっくりとした変化と急激な変化を繰り返している.
このような振動を弛緩振動という.
次に $\gamma\neq 0$ の場合を考える.
この場合,ファン・デル・ポール方程式の挙動は複雑になる.
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Latest Updating is on April 11, 2024.