19世紀のPoincaréの研究に起源をもつと言われる力学系理論は,分岐現象やカオスなどの非線形現象の理解を初め大きく発展し,さまざまな分野で応用され,多くの成功を収めています. 力学系およびその応用に関連した広い分野から講師をお招きし,1年の期限付きでセミナーを開始することに致しました. 力学系とその応用について, これまでに得られている研究成果並びに今後の研究の方向性について議論できたらと思います. 皆様のご参加をお待ちしております.
セミナー世話人: |
矢ヶ崎 一幸 (京都大学) |
日時: 2024年5月25日(土)15:00~
場所:
京都大学 吉田キャンパス本部構内総合研究10号館3階317セミナー室
講演者:
石渡 哲哉 氏 (芝浦工業大学)
講演題目:
爆発問題についてのいくつかの話題
講演概要:
非線形微分方程式に現れる特徴的な解の1つとして、有限時間で爆発する解に焦点をあて、いくつかの話題についてこれまでの考察や予想について紹介する。
話題1.ある準線形放物型方程式の初期値境界値問題を考える。この問題の解は、初期関数の台の広さによって解が爆発するか時間大域的に存在するかが分かれる。解が爆発する場合、爆発レートに関して2種類に大別され、本講演では主にタイプ2と呼ばれる爆発解について考察した結果を話す。この話題は穴田浩一氏、牛島健夫氏との共同研究の内容である。
話題2.時間遅れをもつ微分方程式の爆発解についての考察した結果を話す。まずはじめに、講演者が最初に興味をもった遅延誘導爆発についての話題を話す。その次に、定数遅れ、および分布型遅れについて、ODEとの比較を通し、時間遅れが解の爆発に与える影響についてこれまで得られた内容を説明する。この話題は、主に中田行彦氏との共同研究の内容である。
話題3.ドリフト係数、拡散係数がともに解の冪乗で与えられている確率微分方程式を考える。この確率微分方程式では、各係数に現れる冪の指数に関するある条件下で確率1で爆発することが知られていたが、その他の場合に対する結果や数値的予測について紹介する。この話題は梁英哲氏との共同研究である。時間があれば数値計算を実行する際に新たな問題として出てきた数値解の正値性についての考察も紹介する。
※ 当日会場となる建物が休日のため施錠されます.そのため,参加される方は14:30から14:55までの間に「総合研究10号館」西側(総合研究8号館側)の入口より建物にお入り頂きますようご協力をお願いします.もし万が一遅れるような場合は,(できれば14:55より前に)世話人までメールにてご連絡頂ければ,対応するように致します.
※ 講演後に懇親会を予定しています.日にちがなくて申し訳ありませんが,参加をご希望される方は5/3(金)までに世話人までご連絡下さい.
日時: 2024年6月28日(金)15:00~
場所:
京都大学 吉田キャンパス本部構内総合研究7号館1階情報3講義室
講演者:
籔野 浩司 氏 (筑波大学)
講演題目:
機械システムに発生する非線形現象の解析・制御・利用
※ 講演後に懇親会を予定しています.参加をご希望される方は世話人までご連絡下さい.
日時: 2024年7月26日(金)15:00~
場所:
京都大学 吉田キャンパス本部構内総合研究7号館1階情報3講義室
講演者:
高安 亮紀 氏 (筑波大学)
講演題目:
TBA
※ 講演後に懇親会を予定しています.講演題目等まだ決まっておりませんが,参加をご希望される方は世話人までご連絡下さい.