第88回:10月19日(土)15:00から
京大総合研究8号館
大久保健一氏(京都大学)
『アーノルド拡散に対する現象論的アプローチ』
Arnold は2.5 次元の近可積分系において、大域的に
つながった不安定領域上をカオス軌道が遷移
していくことを示した(文献[8])。このような大域的拡散を
Arnold 拡散という(文献[8])。
Froeschle らは近可積分系に関するArnold 拡散
についていくつかの研究を行っている(文献[2,3])
本発表ではFroeschleの用いたハミルトニアンを扱い、
遅い拡散について数値解析を行った。
具体的にはFLI法を用いて、平均二乗変位やパワースペクトルに
関する解析を行い、Log-Weibull指数を求めた。
さらに距離に対する分布をWeibull分布でフィッティングした。
参考文献
[1] Y. Aizawa,
“Universality of the Stagnant Motions in Hamiltonian Systems,”
Theor. Phys., 81 (2), 249-253, (1989).
[2] C. Froeschle, E. Lega and R. Gonczi,
“FAST LYAPUNOV INDICATORS. APPLICATION TO ASTEROIDAL MOTION,”
Celest. Mech. Dyn. Astron., 67, 41-62 (1997).
[3] C. Froeschl´e, M. Guzzo, and E. Lega,
“Graphical evolution of the Arnold web: From order to chaos”
Science, 289, 2108-2110, 2000.
[4] T. Hasumi,
“Statistical properties of earthquakes in view of complex system,”
Ph.D thesis (Waseda University, 2009), 相澤研究室.
[5] 大久保健一,
“Froeschle写像を用いたハミルトン系カオスの解析”,
卒業論文(早稲田大学, 2013), 相澤研究室.
[6] 島本憲夫,
“非整数階微分ランジュバン方程式における拡散特性の解析”,
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 J94-A(12), 932-940, (2011).
[7] 島本憲夫,
“ 非整数階微分による異常拡散のモデル化について(その1)”,
数理解析研究所講究録, 1810 (20121000) , 59-84.
[8] S. Shinkai,
“Singular Fluctuations in Infinite Ergodic Systems and
Anomalous Relaxation in Hamiltonian Systems”,
Ph.D thesis (Waseda University, 2012), 相澤研究室.
[9] W. Weibull,
“A statistical distribution function of wide applicability,”
J. Appl. Mech.,18, 293-297 (1951).
Last modified: Fri Oct 11 16:32:17 JST 2013