第73回:4月16日(土)15:00から
京大工学部8号館3階南演習室
佐野光貞(京都大学)
『一次元シートモデルの運動論』
一次元系の運動論は、通常使われるのBBGKY階層から
運動論方程式を求めると、衝突項がゼロとなる問題を抱えている。
このことを、単純に受け止めると、一次元系には、
緩和がないことになってしまう。

しかし、一方、実際に直接数値計算をしてみると、少なくとも、
有限系に関しては、緩和が観測される。
したがって、通常に使われているBBGKY階層のレベルでは、
緩和が記述できないことになり、より高次の階層の情報を
取り込めないと、緩和が記述できないことを意味している。

始めに、この衝突項ゼロの問題を概観し、
長距離相互作用系である二つのモデルケース(Dawsonモデル、
重力シートモデル)に対して、大胆な近似(熱浴近似)のもとに、
緩和を調べてみた結果を報告する。

Last modified: Thu Apr 7 11:28:46 2011