一次元系の運動論は、通常使われるのBBGKY階層から 運動論方程式を求めると、衝突項がゼロとなる問題を抱えている。 このことを、単純に受け止めると、一次元系には、 緩和がないことになってしまう。 しかし、一方、実際に直接数値計算をしてみると、少なくとも、 有限系に関しては、緩和が観測される。 したがって、通常に使われているBBGKY階層のレベルでは、 緩和が記述できないことになり、より高次の階層の情報を 取り込めないと、緩和が記述できないことを意味している。 始めに、この衝突項ゼロの問題を概観し、 長距離相互作用系である二つのモデルケース(Dawsonモデル、 重力シートモデル)に対して、大胆な近似(熱浴近似)のもとに、 緩和を調べてみた結果を報告する。