第71回:12月29日(水)15:00から
京大工学部8号館3階南演習室
後藤振一郎(ランカスター大学)
『媒質中の電磁ストレス-エネルギー-運動量テンソルの選択可能性
--- 回転する非一様媒質の電磁気学 ----』
マックスウェル方程式で記述される古典電磁気学は理工学の
基礎をなす。種々の応用のためにもその基礎理論の徹底的理解
が期待され、長い研究の歴史がある。しかし
媒質中の電磁気学において如何なるストレス-エネルギー-運動量
テンソルを選べばよいか未だに判明していない。
今回我々はこの問題を解決するために、
与えられたストレス-エネルギー-運動量テンソルから
媒質に働くトルクを計算する方法を開発した。
我々の開発した手法を用い、
回転する非一様誘電体に電磁波を照射する系において、
トルクのテンソル依存性を見出した。
将来、この理論的に導かれたトルクと実験を比べることに
より、どのストレス-エネルギー-運動量テンソルが
正しく媒質中の電磁場を記述しているか判明するであろう。
この成果はランカスター大学の Timothy J Walton 氏 と Robin W Tucker 氏
との共同研究によるものである。
なお時間があればこの研究報告の他にイギリスでの研究生活等についても
紹介する。
Last modified: Thu Dec 16 11:18:06 2010