第62回:10月31日(土)15:00から
京大工学部8号館3階南演習室
森田英俊(京都大学)
『大自由度保存系における巨視的非定常状態』
大自由度ハミルトン系は巨視的平衡状態や準平衡状態、またそこ
への緩和を統計力学として議論するための微視的モデルである。
また、大自由度ハミルトン系と数理的によく似た二次元流体にも
統計力学は適用され、二次元乱流における巨視的定常パターンが
「平衡」状態として記述されることが知られている。
これに対し、本研究では、こういった大自由度保存系において
見られた非定常状態について紹介する。すなわち、
ある大自由度ハミルトン系や二次元流体系において、
ある基準となる平衡(定常)状態に対して変位を与えたときに、
その変位が大きくなるとその基準となる状態には緩和せず、
非定常状態が実現し、しかもそれが安定して続くようになる。
これは保存力学系における巨視的「分岐」であるともいえる。

Last modified: Fri Oct 23 18:23:05 2009