振り子や二重井戸ポテンシャル系のように双曲型の不動点を持つ系が 調和振動子系と結合している場合、余次元1の安定・不安定多様体が存在する。 安定・不安定多様体は、可積分のときには一致しているが、 摂動によって分離しカオスが発生する。 Melnikov関数とは、摂動系において分離した安定・不安定多様体の距離を 摂動の1次近似で求めるための道具である。 また、安定・不安定多様体の余次元が2以上となったときに、 Melnikov関数を一般化したMelnikovベクトルも定義できる。 今回は、Melnikovベクトルの定義や求め方をおさらいし、 いくつかの計算例を示す。 また、今後の研究に発展するような議論を行ないたい。