蔵本モデルは大域結合した振動子系のモデルとして広く用いられている. ここでは無限次元の蔵本モデルにおける自明解(非同期状態)の安定性 について議論する.同期・非同期状態は,秩序変数と呼ばれる量によっ て特徴づけられるが,特に無限次元特有の現象として,全てのスペクト ルが虚軸上にあるにもかかわらず秩序変数が指数的に減少しうることを 示す.また蔵本モデルを解のモーメントたちについての方程式に書き直 してやると,有限次元の場合と無限次元の場合の方程式を同一の方程式 で書くことができる.これを用い,有限次元の蔵本モデルの秩序変数が 無限次元の秩序変数に収束することを示す.