第42回:6月23日(土)15:00から
京大工学部8号館3階南演習室
合原一究(京都大学)
『ニホンアマガエルの発声行動における同期現象の研究』
ニホンアマガエルは北海道から屋久島にかけて日本全域に生息するカエルであり、
京都大学においても北部キャンパスの水田などで活発に鳴いている様子を観察できる。
ニホンアマガエルのオスは単独ではほぼ周期的に鳴く一方で、
目の後ろに大きな鼓膜を備えており他の個体の鳴き声を認識できることが知られている。
そのため、複数のオスガエルが鳴き交わす状況は単独ではほぼ周期的に振る舞う振動子が
相互作用するようなシステムとして理解できるだろう。
今回、ニホンアマガエルの発声行動を調べる実験を繰り返し行ない、
2匹では主に逆相同期して鳴く現象、3匹では同相同期する2匹と残りの1匹とが交互に鳴く現象を見出した。
また数理モデル解析を行ない、位相縮約したモデルで実験結果を定性的に説明できることを示した。
本セミナーでは、ニホンアマガエルの発声行動に関する実験、
数理モデリング、同期した発声行動の機能的意義について説明する。
Last modified: Fri Jun 15 16:53:13 2007