原子数が千個程度までの微小なクラスターでは、 バルクとは異なる様々な性質が知られている。 その中から我々は、保田-森らによって発見された 自発的合金化現象の理論的解明に取り組んでいる。 我々は、自発的合金化現象をクラスターに於ける原子拡散として捉え、 クラスター表面での拡散と、クラスター中心部に向かう拡散の 二つのタイプに分類できる事を示した。 本講演の前半では、この二つの拡散に付いて議論する。 クラスター固有の原子拡散が明らかになったので、次に どの程度の大きさのクラスターからこの様な拡散が見られるのか、 すなわち、クラスターはどの大きさからクラスターになるのかを議論する。