与えられた力学系の相関関数を調べることは非平衡統計力学的観点から 非常に重要なことである。相関関数をLaplace-Fourier変換すると、 指数関数的緩和の場合は極が、べき的緩和の場合はbranch cutが得られる。 前者の場合、極の位置は相関関数の緩和指数を表しおり、 非平衡統計力学で計算したい量の一つとなっている。 1980年代、あるクラスの力学系についてこの相関関数の緩和指数に 関する数学的な結果が得られた(Pollicott,Ruelle)。 そのため、この相関関数の緩和指数はPollicott-Ruelle共鳴と 呼ばれている。 セミナーでは、このPollicott-Ruelle共鳴について 物理学者なりの解説を行う予定です。 (厳密性はさておき、物理学者から見て使える道具としての Pollicott-Ruelle共鳴の解説という意味です)