フォント

LaTeX 文章をプレビュー、印刷するときのフォント関連の話です。 よく分かっていない所が多いので、かなり推測が入っています。


解像度を変更する

xdvi

xdvi の X のリソースを決めているファイルは /usr/local/share/texmf/xdvi/XDvi です。 解像度は 600dpi に設定されています。 ただし、設定を有効にするためには /usr/X11R6/lib/X11/app-default に置かなければなりません。
# cp /usr/local/share/texmf/xdvi/XDvi /usr/X11R6/lib/X11/app-default
/usr/X11R6/lib/X11/app-default は、X クライアントのデフォルトのリソースを 置くディレクトリになっています。

デフォルトの 300dpi と、上の作業をして 600dpi にした結果の比較を 下に示します。東風は「こち」と読み、 ja-kochi-ttfonts-* が入っている場合デフォルトで使われるフォントの名前です。
300dpi
600dpi

解像度を倍にすると、ウィンドウの物理的な大きさも倍になります。 オプション -s を使って、適当な大きさになるようにしましょう。

dvips

デフォルトでは、dvips は 300dpi の PS ファイルを作ります。 これを 600dpi にするには、 /usr/local/share/texmf/dvips/base/config.ps を変更します。

デフォルトの 300dpi と、上の作業をして 600dpi にした結果の比較を 下に示します。
300dpi
600dpi

フォントの設定はどうなっているのか?

dvips で作った PS を見ると、8行目くらいに
%%DocumentFonts: Ryumin-Light-H GothicBBB-Medium-H
とあります。これは、「Ryumin-Light-H と GoticBBB-Medium-H を使え」 という意味だと思われます。

これらのフォントの名前、 Ryumin-Light-H や GoticBBB-Medium-H と 実際に使うフォントの対応は、 /usr/local/share/texmf/dvips/base/psfonts.map の最後の方に
rml Ryumin-Light-H <`min
gbm GothicBBB-Medium-H <`goth
rmlv Ryumin-Light-V <`min
gbmv GothicBBB-Medium-V <`goth
と書いてあります。

では、min や goth の定義はというと、ベクトルフォントの設定ファイル /usr/local/share/VFlib/2.25.6/vfontcap に書いてあります。 2.25.6 はバージョン名なので、適当に読み換えてください。 /usr/local/share/VFlib/2.25.6/vfontcap の最初の方に、
min:\
:fc=kochi-mincho:
goth:\
:fc=kochi-gothic:
とあり、min は kochi-mincho を、 goth は kochi-gothic を 使うようになっています。kochi は漢字で書くと「東風」です。 : の左側がフォント名の定義、右側が実際に使うフォントですが、 fc は「この名前のフォントを使え」というほどの意味と思われます。

例えば、vfontcap の中で kochi-mincho の記述をさらに探すと、
kochi-mincho:\
:fc=r-kochi-mincho:
とあり、さらに r-kochi-mincho を探すと
r-kochi-mincho|Kochi Mincho:\
:ft=freetype:\
:ff=/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType/kochi-mincho.ttf:
とあり、やっとフォントの実体 /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType/kochi-mincho.ttf に行き当たりました。

フォントを変更する

デフォルトでは、min は「kochi-mincho=東風明朝」を、 goth は「kochi-gothic=東風ゴシック」を使うことがわかりました。 これを別の TrueType フォントに変更してみましょう。 TrueType フォントの実体の拡張子は、.ttc と .ttf があるようです。 .ttc の場合は、インデックスファイル .tti を作っておきます。
# ttindex hogehoge.ttc
# ls hogehoge.*
hogehoge.ttc hogehoge.tti

vfontcap に記述のあるフォントの場合

最初の方の min: と goth: の欄を変更するだけでOKです。 例えば、MS明朝や MSゴシックを使う場合
min:\
:fc=microsoft-mincho:
goth:\
:fc=microsoft-gothic:
としておけばOKです。

ただし、MS明朝やMSゴシックは Micro$oft によると Windows 以外での使用は認めていないそうです。

vfontcap に記述のないフォントの場合

例えば「みかちゃんフォント」を 使ってみましょう。フォントの実体 mikchan.ttf, mikachan-P.ttf, mikachan-PB.ttf, mikachan-PS.ttf を 例えば /usr/local/share/fonts/truetype/ に入れます。 そして、/usr/local/share/VFlib/2.25.6/vfontcap の最初の方の min: と goth: の記述を次のように変更します。
min:\
:ft=freetype:
:ff=/usr/local/share/fonts/truetype/mikachan-P.ttf:
goth:\
:ft=freetype:
:ff=/usr/local/share/fonts/truetype/mikachan-PB.ttf:

この変更をした後の xdvi と gv の出力は以下の通りです。
xdvi
gv

参考サイト


Last modified: Mon Aug 4 18:42:21 JST 2003