qmail では、ユーザ名に拡張子を付けることによりメールアドレスを ユーザ自身が追加できます。 Mailing List や用件によるメールの振り分けなどに便利です。
たとえば、ユーザ名が user としましょう。
このユーザのメールアドレスが user@host.mail.ac.jp と仮定します。
さらにここでは、ユーザはホストマシン host.mail.ac.jp にアカウントを持ち、 かつ host.mail.ac.jp 自身がメールサーバであるとします。
(MXでの転送機能を使っている場合は除く、という意味です。)さて、qmail では、user-hogehoge@host.mail.ac.jp なるメールアドレスを user 自身が作成できます。 hogehoge は任意の文字列で構いませんが、 大文字やドット(.)を使うのは避けた方が良いようです。 この、「-hogehoge」の部分を拡張子と呼んでいます。
上のように、user が user-hogehoge なるアドレスを作るためには、 ホームディレクトリ下に .qmail-hogehoge というファイルを置き、 ファイルの中身に送りたいアドレスを & を先頭にして書きます。 例えば、user-hogehoge@host.mail.ac.jp というアドレスで、 user@host.mail.ac.jp と user2@host.mail.ac.jp に送りたい場合は、次のようになります。
host.mail.ac.jp:~/.qmail-hogehoge
&user@host.mail.ac.jp
&user2@host.mail.ac.jp
.qmail-hogehoge の書式は .qmail の書式と同じですから、 | を先頭に入れて実行命令をかますこともできます。
sendmail での /etc/aliases に相当する転送機能は "alias" というユーザのホームディレクトリ (デフォルトでは /var/qmail/alias です)に .qmail-hogehoge という拡張子付きファイルを置くことで実現できます。例1)
ユーザ foo はメールサーバ host.ac.jp に存在しないとします。 このとき、foo@host.ac.jp というアドレスに来たメールを foo@pekepeke.ac.jp というアドレスに転送するときは、 ~alias/.qmail-foo というファイルを作り、1行だけ foo@pekepeke.ac.jp と書いておきます。例2)
ユーザ foo はメールサーバ host.ac.jp に存在しないとします。 このとき、foo@host.ac.jp というアドレスに来たメールを foo@pekepeke.ac.jp, foo2@pekepeke.ac.jp, foo3@pekepeke.ac.jp という3つのアドレスに転送するときは、 ~alias/.qmail-foo というファイルを作り、 上の3つのアドレスを1行に1つずつ書いておきます。