面積保存Hénon 写像におけるBiham-Wenzel の方法について 2次元の離散力学系である写像は、カオス的で簡単な数学モデルを構築する ことを目的に1976年にM.Hénon によって考案された。この写像におけるパラ メータb が−1 のときに面積保存写像となることが知られているが、この面積保存 Hénon 写像のn 周期点を求める方法として、Biham-Wenzel の方法が知られて いる。この方法はHénon 写像におけるパラメータa が十分大きいときには周 期点に収束することが理論的に保証されている。a が十分大きいとは限らない 場合にも数値的には周期点に確かめられているが、その理論的根拠はこれまで なかった。本研究ではこのパラメータa の値に応じて、Hurwitz の条件を確か めることにより、収束性を調べる。