Koopman 作用素の固有関数を用いた力学系の大域的線形化とその応用

データサイエンスの分野において,非線形力学系のダイナミクスを,無限次元
ではあるものの,線形系により表現可能とするKoopman 作用素について大きな
関心が寄せられ,自然科学や工学のさまざまな分野で応用されている.本研究
では,本研究室で提案された,Koopman 作用素の固有関数により非線形力学系
を大域的に線形化するという方法を,二重井戸型ポテンシャルを有する自励的
なDu?ng 方程式とvan der Pol 方程式を取りあげ,1階偏微分方程式に対する
特性曲線の方法を用いて適用する.特に,平衡点におけるベクトル場のヤコビ
行列の固有値が実数の場合と複素数の場合を考え,大域的に線形化可能である
ことを示す.