繰り込み群の方法は、与えられた常微分方程式の近似解を与える。
特に、摂動ハミルトン系の繰り込み群方程式を考えた際、
その繰り込み群方程式を導くハミルトニアンが存在するとき、
繰り込まれた解は長い時間スケールで良い近似を与えると考えられる。
そこで、今回は、適当な摂動ハミルトン系を考えると、
その繰り込み群方程式を導くハミルトニアンが存在することを示す。
また、繰り込み群方程式を導くハミルトニアンと、
正準変換摂動理論から得られるハミルトニアンとの関係についても述べる。
参考文献:
[1] L-Y. Chen, N. Gldenfeld and Y. Oono, Renormalization group and singular
perturbations: Multiple scales, boundary layers, and reductive perturbation
theory, Phys. Rev. E54(1996), 376.
[2] Y.Ymaguchi, Y.Nambu, Renormalization Group Equations and Integrability
in Hamiltonian Systems, Prog. Theor. Phys. 100 (1998), 199.
[3] 大貫義郎・吉田春夫「岩波講座 現代の物理学 第1巻 力学」, 岩波書店
(1994), pp. 131-139.