コロキウム

長距離相互作用する2種粒子系における分岐解析

浦川諒祐 氏

2026年1月15日(木) 14時00分

総合研究10号館317号室

銀河を形成する星に働く重力や荷電粒子に働く電磁気相互作用は長距離相互作用である.この相互作用に支配される多体Hamilton系のダイナミクスは自由度無限大の極限において1体分布関数と平均場が相互作用するVlasov方程式で記述される.空間について周期的な系において,空間一様な分布はVlasov方程式の定常解になり,系のパラメータを変化させることで分岐を起こす.1種粒子系での分岐の連続性に関しては一般的に連続であることが分かっている.しかし,分布関数の形状によっては不連続な場合が見られ,このことは系と分布の形状に関する2つの分岐パラメータを調整することで実現される,余次元2の分岐として説明されている[1].本講演では,長距離相互作用系の典型モデルである Hamiltonian Mean-Fieldモデルを2種粒子系に拡張したVlasov系において,不安定方向の振幅の時間発展方程式に縮約し,余次元2分岐の連続性を,一般的な余次元1分岐の場合と比較しながら述べる.また,得られた理論の検証としてN体シミュレーションの結果を示す.

[1] Y. Y. Yamaguchi and J. Barré, Discontinuous codimsion-two bifurcation in a Vlasov equation, Phys. Rev. E 107, 054203 (2023).