コロキウム

2種粒子Vlasov系における余次元2分岐の条件の解析

浦川諒祐 氏

2025年7月3日(木) 15時15分

総合研究10号館317号室

重力系やプラズマなどの長距離相互作用をもつHamilton系のダイナミクスは, 粒子数無限大の極限において1体分布関数と平均場が相互作用するVlasov方程式で記述される. Vlasov系において, 空間が周期境界条件を持ち, 運動量のみに依存する分布は定常状態であり, 系のパラメータを変化させると安定性が変化し分岐を起こす. 1種粒子系の場合, 一般には分岐は連続であり, 不安定サイドでオーダーパラメータは臨界点からの距離の2乗で大きくなる[1]. これをtrapping scalingという. しかし, 定常分布の形状によっては分岐が不連続となる場合があり, 余次元2の分岐として説明されている[2]. さらに, 2種粒子系ではtrapping scalingは5/2乗と言われている[3]. 本講演では2種粒子系における余次元2分岐を調べる. そのため, Vlasov方程式を, 不安定方向の振幅が従う非線形方程式に縮約する. 縮約された方程式を使って, まず余次元2分岐が起こるパラメータの条件を示す. 次に、分岐の連続性や trapping scaling を予想する. 最後に今後の展望を述べる.

[1] J. D. Crawford, Universal Trapping Scaling on the Unstable Manifold for a Collisionless Electrostatic Mode, Phys. Rev. Lett. 73, 656 (1994).
[2] Y. Y. Yamaguchi and J. Barré, Discontinuous codimsion-two bifurcation in a Vlasov equation, Phys. Rev. E 107, 054203 (2023).
[3] N. J. Balmforth and R. R. Kerswell, Saturation of electrostatic instability in two-species plasma, J. Plasma Phys. 68, 87 (2002).