コロキウム

Anosov性を持つ新しいリンケージの構成

坂口秀 氏

2025年4月24日(木) 15時15分

総合研究10号館317号室

力学系の双曲性とは,力学系が定義されている多様体の接束が拡大する部分束と縮小する部分束に分解されることを意味する.この双曲性を多様体全体で持つ連続力学系のクラスをAnosov流という. HuntとMacKay [1] は,ThurstonとWeeks [2] が紹介したトリプルリンケージという機構について,極限的な配位空間の曲率がほとんどいたるところ負になっていることを示すことにより,Anosov性を示した. 本発表では,HuntとMacKayが扱ったトリプルリンケージの3次元へのある種の変形となっているリンケージを構成する.また,このリンケージの配位空間の曲率について,数値計算を元に議論し,このリンケージもあるパラメータ領域でAnosovになっていることを示す.

[1] T. J. Hunt and R. S. MacKay, Anosov parameter values for the triple linkage and a physical system with a uniformly chaotic attractor. Nonlinearity 16(4), 1499-1510, 2003.
[2] W. P. Thurston and J. R. Weeks, The mathematics of three-dimensional manifolds. Sci. Am. 251 94-106, 1994.