竹口佳輝 氏
2024年10月31日(木) 13時30分
総合研究10号館317号室
制御問題の実際の応用において,相互に矛盾した目的を同時に最大限達成することがしばしば求められる.このような状況は多目的最適制御問題と呼ばれるクラスの問題でモデル化され,そこでは,複数の相反する基準をパレート最適という意味において最適化する解を求める.本発表ではまず,多目的最適制御問題の問題設定およびパレート最適の概念について説明する.単一目的の最適制御問題の最適解に対する必要条件であるポントリャーギンの最大原理について,LovisonとCardinら[1]による,多目的最適制御において対応する定理のバージョンを紹介する.最後に,Lovisonらの結果を用いたパレート解集合の数値計算手法の提案を含めた今後の課題について述べる.
[1] Lovison, Alberto, and Franco Cardin. "A Pareto-Pontryagin Maximum Principle for Optimal Control" Symmetry, 14(6), 1169. (2022)