Moonsurk Choi 氏
2024年6月20日(木) 15時00分
総合研究10号館317号室
一つの素子を表す力学系がリミットサイクルを持つ場合、それらが結合した系は位相縮約により結合位相振動子系に縮約される。先行研究では結合位相振動子系において、任意の外力が印加できかつ任意の複素オーダーパラメータの外力応答が観測可能であるならば、系を推定できることが示されている[1]。本研究では位相縮約前の力学系の推定を試みる。位相縮約前の系では実変数しか観測できず、また印加できる外力は制約を受けるという困難がある一方で、結合関数を既知とできるという利点もある。リミットサイクルを持つ力学系として、まずStuart-Landau 系の推定を行う。外力に対する線形応答だけでは推定が行えないので、外力を入れている状態から外したときのオーダーパラメータの減衰率も用いて、Stuart-Landau 結合系の結合定数と自然振動数分布を推定する。Stuart-Landau系はリミットサイクルが円という特殊性を持つため、一般的なリミットサイクル系への適用可能性を示すためvan der Pol系も取り上げる。提案手法の有効性は、数値シミュレーションによって検証する。[1] Y. Y. YAMAGUCHI and Y. TERADA, Reconstruction of phase dynamics from macroscopic observations based on linear and nonlinear response theories, Phys. Rev. E 109, No.2, 024217 (2024) (10pp), DOI:10.1103/PhysRevE.109.024217