コロキウム

角錐N+1体問題における衝突特異点の解析

山田義弘 氏

2023年10月12日(木) 13時30分

総合研究10号館317号室

N体問題の複雑さの一因として、質点が衝突特異点に漸近すると重力が発散するということが挙げられる。この問題に対処するためMcGeheeによって衝突多様体が導入され、それ以降、いくつかの系に対して衝突の近傍における質点の運動の解析が行われてきた。衝突多様体とは、相空間における衝突に相当する点の集合である。N体問題の運動方程式を適切な変数変換によって、衝突に相当する点まで含めて滑らかな微分方程式に変換し、衝突多様体近傍での力学系の挙動を解析することで、衝突の近傍における質点の運動を解析することができる。本研究では二等辺三体問題の一般化である角錐N+1体問題において、衝突多様体を用いた質点の運動の解析を行う予定である。本発表では、これまでに行った計算と今後の方針について述べる。