コロキウム

カスケード放射線放出核種110mAgのサム効果の計算

KIM, Donggeon 氏

2023年5月11日(木) 15時00分

総合研究10号館317号室

放射性物質の一つである110mAgは、生物、特に節足動物に取り込まれると体内で濃縮されることが知られており、原子力発電所の事故などにより環境中に放出された場合、その被ばくの影響が心配され、110mAgの放射能定量が求められる。110mAgの1個の壊変が起こると、複数本の放射線(γ線)がしばしばほぼ同時に放出される。これをカスケード放射線放出と呼ぶ。また、複数の放射線が検出器内で区別されず、それらの和が一つの信号として検出される場合がある。これをサム効果という。実際の測定では、サム効果の影響を考慮して放射能を補正する必要があり、その因子をサム効果補正因子という。本発表では、サム効果補正因子の求め方の流れを簡単に説明し、1個の壊変が起こったとき、放射線を放出する割合である放出比が高いγ線におけるサム効果補正因子の計算結果を示す。