深見駿斗 氏
2023年4月27日(木) 15時00分
総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)
本発表では，近年脚光を浴びているデータサイエンスの分野において広く用いられているKoopman作用素の固有値問題を取りあげる．まず，Koopman作用素とLie作用素の定義を与え，両者の関係やそれらの固有値問題における性質を述べる．次に，係数行列がJordan標準形となる線形系の標準形に対して固有値と一般化固有関数に関する結果を与え，Hartman-Grobmanの定理とZungの定理を援用し，それらの結果を非線形系に対して適用する．さらに，平衡点におけるヤコビ行列が零あるいは1組の純虚固有値をもち1次の共鳴条件を満たす非線形系を考え，対応するPoincare-Dulac標準形に対する結果を与える．最後に今後の研究課題について述べる．