コロキウム

Aubry-Mather理論における作用汎関数と不変集合の関係

本永翔也 氏

2022年7月7日(木) 15時15分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

Euler-Lagrange流れの不変集合に関する理論として,Aubry-Mather理論が知られている.その中心的役割を果たすものとして,Mather集合・Aubry集合・Mañé集合があり,これらはそれぞれに対応する作用汎関数の最小化元を用いて定義される.一方,パラメータ付き作用汎関数によってMatherのβ関数・α関数と呼ばれる関数も定義されるが,β関数・α関数の関数的性質(滑らかさや凸性など)とMather集合・Aubry集合・Mañé集合との関係についてはあまり知られていない.本講演では,β関数の微分可能性およびα関数の狭義凸性と,Mather集合・Aubry集合・Mañé集合との関連について述べる.また,Euler-Lagrange流れが定める力学系に対するある種の可積分性がMatherのβ関数の微分可能性によって特徴付けられるという予想に対して,主結果から分かることについても説明する.