コロキウム

面積保存ツイスト写像の不変曲線の存在/非存在について

柴山允瑠 氏

2022年5月19日(木) 15時15分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

自由度1の周期的ハミルトン系や自由度2の自励的ハミルトン系のポアンカレ写像は面積保存写像になるため,面積保存写像はハミルトン系の離散時間版といえる.十分可積分に近い面積保存写像はツイスト条件を満たせば,KAM定理により多くの不変曲線を持つことがわかる.したがって, 面積保存写像の不変曲線が存在しない場合は, 可積分系から離れ,カオス的な領域が広 がっていると思われる. 本講演では,面積保存ツイスト写像の不変曲線が与えられた領域に存在しないための十分条件を紹介する. この十分条件を用いて,standard mapと,それに高周波の摂動項を加えた写像について不変曲線が存在しないような摂動パラメータに関する条件を述べる.本研究は,東浜有輝氏との共同研究である.