コロキウム

力学系の非可積分性に関する3つの話題

矢ヶ崎一幸 氏

2022年5月12日(木) 15時15分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

力学系の非可積分性に関する次の3つの話題について,講演者の最近の研究結果を述べる: (i) SEIR系; (ii) ホモ/ヘテロクニック軌道を有する,時間周期的摂動を受ける1自由度ハミルトン系; (iii) 退化した平衡点を有する力学系.最初の2つの話題ではMorales-Ramis理論が用いられ,2番目の話題では非可積分性とMelnikov関数の関連性が与えられる.また,3番目の話題では,Poincare-Dulac標準形との関係が議論され,結果は余次元2のfold Hopfおよびdouble Hopf分岐が起こる系が一般的に非可積分であることを保証するものである.講演の最初の部分では,力学系の非可積分性判定の重要性や,微分ガロア理論とMorales-Ramis理論の概要を述べ,力学系数理分野における力学系の非可積分性に関するこれまでの研究成果を紹介する