本永翔也 氏
2021年12月9日(木) 13時30分
総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)
ハミルトン系における不変集合に関する理論として，Aubry-Mather理論が知られている．本講演では，まずMañéによるEuler-Lagrange流れに対する標準的な（連続時間の）Aubry-Mather理論を述べ，重要な不変集合であるAubry集合やMather集合を紹介する．次に，Fathi-Pageaultによるコンパクト距離空間上の同相写像に対する（離散時間の）Aubry-Mather理論を取り上げ，標準的なAubry-Mather理論との比較を述べる．また，Euler-Lagrange流れに対するAubry-Mather理論におけるMañéの手法が，離散力学系の場合にも適用できることを紹介し，その特別な場合としてFathi-PageaultによるAubry集合が得られることを示す．さらに，Fathi-PageaultによるAubry集合に，非遊走集合が含まれることを述べる．