コロキウム

ランダムな自然振動数をもつ蔵本モデルの同期現象

江戸雅俊 氏

2021年11月25日(木) 13時30分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

1970年代に蔵本氏により導入された非線形振動子系である蔵本モデルは,同期現象を示す代表的な数学モデルであり,数学や物理学をはじめさまざまな分野で膨大な研究が行われている.特に,振動子数が無限大の極限では連続極限の方法が有効であり,また,ランダムな自然振動数を有する場合に対しては,振動子の位相の確率密度関数が調べられ,部分同期が起こる臨界の結合強度が求められるなどされている.本講演では,自然振動数がランダムで一様分布に従う,振動子数が十分大きな蔵本モデルを考え,振動子の振動数と位相の関係に着目し,連続極限による理論結果および振動子系に対する数値シミュレーション結果を与える.特に,理論結果と数値計算結果の比較を行い,連続極限の方法の有効性を確認する.最後に,今後の研究計画を述べる.