コロキウム

面積保存写像のホモ/ヘテロクリニック解の存在証明に向けて

梶原唯加 氏

2021年7月1日(木) 16時45分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

Rabinowitz[1]は,いくつかの条件のもと時間依存したポテンシャル系において,(1)周期解,(2)ヘテロクリニック解,(3)ホモクリニック解の3種類の解の存在を直接法と呼ばれる変分法のアプローチによって示した.一方,Bangert[2]は,写像の力学系が(1)周期解,(2)ヘテロクリニック解を持つことを示しているが,証明は変分法に由来するものではない. これからの研究として.Rabinowitzが用いたアプローチを変分構造を持つ面積保存写像に適用することで,[2]で存在証明されている解に対して,変分法による別証明を与え,面積保存写像における(3)ホモクリニック解の存在を示すことを目標にしている.本発表では,先行研究[1]と今後の方針について述べる.

[1] P. H. Rabinowitz, The calculus of variations and the forced pendulum, NATO Sci. Peace Secur. Ser. B Phys. Biophys. (2008).
[2] V. Bangert, Mather sets for twist maps and geodesics on tori, Dynam. Report. Ser. Dynam. Systems Appl., 1 (1988).