山添祥太郎 氏
2021年6月17日(木) 16時45分
総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)
空間1次元における非線形Schrödinger方程式の2連立系(CNLS)を考える．CNLSは1成分が恒等的に0であるような孤立波解(基本孤立波解)を持ち，特定のパラメータで基本孤立波解の分岐が起こる．また，これらの孤立波解の安定性(スペクトル安定性および軌道安定性)については，定符号のものは安定，符号変化するものは不安定であることが知られている．一方で，孤立波解に十分近い解が時間発展でどのような解に近づくのか，すなわち漸近安定性の問題，については十分に理解されているとは言い難い．本講演では，CNLSの解の時間発展について数値シミュレーションを行なった結果を紹介し，その結果から漸近安定性の問題についてどのようなことが予想できるかを述べる．