コロキウム

近可積分系の正則レベル集合近傍における可積分性判定条件

本永翔也 氏

2021年6月10日(木) 16時45分

総合研究10号館317号室 / Zoom会議 (ハイブリッド)

ハミルトン系に対する完全可積分性を一般の自律的力学系に拡張したものとしてBogoyavlenskijの意味での可積分性が知られている。本講演では、Bogoyavlenskijの意味で可積分な系を摂動した系である近可積分系を取り上げ、近可積分系が可積分であるための必要条件、つまり非可積分性の十分条件を与える。また、近可積分系に対する第一積分の非存在を示すPoincareの定理を一般化したKozlovの定理を紹介し、Kozlovの定理の仮定で重要な、摂動項のフーリエ係数に関する条件が、主定理の仮定の十分条件であることを示す。さらに、主結果を周期摂動を受ける1自由度ハミルトン系に適用し、分数調波メルニコフ関数やホモクリニックメルニコフ関数との関連についても述べる。