長距離相互作用系

長距離相互作用とは?

空間の次元をd, 相互作用する二体間の距離を r, 二体間のポテンシャルエネルギーを V(r) としたとき、 r が大きい時に
となるときに、長距離相互作用と言います。 空間次元dとして、上のポテンシャルエネルギーを積分すると、 rが大きいところからの寄与は
です。a>dでは r が大きい時の寄与は無視できますが、a<=d ではそうはいきません。

長距離相互作用とは、遠くからの寄与が無視できない相互作用です。

長距離相互作用って特殊なの?

自然界には、 の4つの基本的な力がありますが、 重力と電磁気力は長距離相互作用に分類されます。 よって、長距離相互作用系というのは特殊ではなく、 あちこちの分野で見られます。 宇宙に見られる銀河やプラズマが例です。 また、二次元上のオイラー流体(非圧縮、非粘性)も同じカテゴリーに入ります。

長距離相互作用の例

a d
重力 1 < 3
電磁気力 1 < 3
2D流体中 0 < 2 渦点間の相互作用はlog(r)でどのベキより弱いので、ベキ指数は0
双極子同士 3 = 3

平均場による支配

ざっくり言うと、長距離相互作用系では、平均場によって系の時間発展が支配されているとみなすことができます。

平均場とは?

粒子1に着目して考えます。 粒子1が受ける力は粒子2〜粒子Nからのものですが、 それぞれからの寄与がほぼ同等であるとして、 平均的な力が粒子1にかかっていると考えるとします。

「各粒子からの寄与が同等」な場を平均場と言います。

粒子に個性がなく同一種であると仮定すると、 上の議論で粒子1を粒子2に取り替えても同じことが言えますから、 結局すべての粒子は、 他のすべての粒子からの平均場によって動かされることになります。


Last modified: Fri Jun 10 18:01:49 JST 2016