参考文献

和書

残念ながら、長距離相互作用系についてのまとまった和書はまだないようです。 基礎としての力学の本をいくつか挙げます。
  1. 大貫義郎, 解析力学 (物理テキストシリーズ, 岩波書店, 1987).

    ラグランジュ形式からハミルトン形式まで。

  2. 斎藤信彦, カオスの物理 (物理学最前線30, 共立出版, 1992)

    カオスの歴史から始まって、ハミルトン系におけるカオスや量子カオスまで。

  3. 大貫義郎・吉田春夫, 力学 (岩波講座 現代の物理学, 岩波書店, 1994).

    前半は力学系の枠組みの話、後半は可積分系や近可積分系などの話です。

  4. 伊藤秀一, 常微分方程式と解析力学 (共立講座 21世紀の数学, 共立出版, 1998).

    ハミルトン形式についての数学的な記述(シンプレクティック多様体など)があります。

  5. Steven H. Strogatz 著、田中久陽・中尾裕也・千葉逸人訳, 非線形ダイナミクスとカオス 数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで (丸善出版, 2015)

    力学系の基礎的な所から始まり、分岐解析などがあります。

洋書

  1. Herbert Spohn, Large Scale Dynamics of Interacting Particles (Springer-Verlag, Berlin Heiderberg, 1991).

    N体運動を分布関数方程式(運動論)で記述するための議論があります。

  2. James Binney and Scott Tremaine, Galactic Dynamics 2nd Edition (Princeton University Press, Princeton, 2008).

    重力系の本ですが、運動論の記述もあります。

  3. A. Campa, T. Dauxois, D. Fanelli and S. Ruffo, Physics of Long-Range Interacting Systems (Oxford University Press, Oxford, 2014).

    長距離相互作用系についてのまとまった本です。

論文

  1. A. Campa, T. Dauxois and S. Ruffo, Statistical mechanics and dynamics of solvable models with long-range interactions, Physics Report 480, 57-159 (2009).

    長距離相互作用系の(非平衡)統計力学とダイナミクスについてのレビューです。

  2. Y. Levin, R. Pakter, F. B. Rizzato, T. N. Teles and F. P. C. Benetti, Nonequilibrium statistical mechanics of systems with long-range interactions, Physics Report 535, 1-60 (2014).

    非平衡状態を予測するための非平衡統計力学に主眼を置いています。


Last modified: Mon Jun 6 15:34:08 JST 2016