第43回:7月28日(土)15:00から
京大工学部8号館3階南演習室
千葉逸人(京都大学)
『低次元蔵本モデルに対する力学系理論的アプローチ』
蔵本モデルとは弱結合された調和振動子で定義される微分方程式であり、
同期現象が観察されるモデルとして古くからよく研究されているものの、
非結合状態から同期状態に至るまでの分岐のメカニズムは未だ明らかに
されていない。
ここでは素子の数が少ない(3〜5)場合の蔵本モデルに対して繰り込み群の方法
を用いていくつかの不変多様体の存在を示し、この不変多様体を追跡する
ことで分岐の様子を明らかにしたい。
特に、ある結合強度においては、2つのサドル-フォーカス型の周期軌道の間を
結ぶヘテロクリニックサイクルから誘発されるストレンジアトラクターが
存在することが分かる。

Last modified: Fri Jul 20 11:19:12 2007