第7回:10月4日(土) 15:00
京大工学部8号館3階南演習室
清水寧(立命館大学)
『Ir(111)面におけるアイランドの拡散- 集団運動と反応経路-』
Ir(111)面におけるIr_7_やIr_19_といった二次元コンパクトクラスターの拡散
はクラスター全体としての集団運動の結果であること が、Weng-Ehrlichらに
よるFIMを用いた精緻な観察と考察によって主張されている。これらのコンパ
クトクラスターの拡散過程の特殊性は、頻 度因子が非コンパクトアイランド
のそれに比べると異常に大きい点にあるとされている。その原因を特定するた
めに、Hamiltonらは、第一原理計算の 結果から、これらのアイランドの滑べ
り運動の素過程として、cartwheel-shuffleとよばれる特異な運動形態の重要
性を指摘している。我々 は経験的ポテンシャルによる表面のクラスターモデ
ルを用いて、Ir表面クラスターの運動の反応経路を枚挙することにより、可能
な運動形態を特定した。本 報告では、この結果を、従来のシナリオと比較し、
表面アイランドの滑べり運動と多様な反応経路の対応について述べる。

このような物質科学の問題におけるダイナミクスに関わる現象と力学系のカオ
スとの接点についても議論したい。

Last modified: Thu Dec 25 18:00:02 2003