Ubuntu 12.04LTS を Let's Note AX3 にインストール

AX3 に Ubuntu をクリーンインストールする方向で、 いろいろやってみました。

参考: Ubuntu Weekly Recipe 第252回 コンバーチブルPCでUbuntuを使う

準備

まず、Windows でないとできないことをやっておきます。

リカバリーディスクの作成

取扱説明書に従って、リカバリーディスクを作成しておきます。 これがないと、後で Windows 8 に戻せません。

BIOSアップデート

Panasonicのダウンロードサイトから、 アップデートの手順書をダウンロードし、 それに従ってアップデートします。

インストールメディアの作成

http://www.ubuntu.com/ から、Ubuntu 12.04.4LTS の ISO をダウンロードして CD か DVD に焼きます。

BIOSの操作

BIOS は、起動後にメーカーロゴが表れている間に "F2" か "Del" を押すと起動できます。

例えば USBドライブから起動するには、 USBドライブを接続した状態で BIOS を起動し、 「起動」のタブに行き、「UEFI優先度」を開きます。 接続している USB ドライブが見えていると思うので、それを最上位にします。

日本語Remix や 32bit版だと UEFI では起動しないという話もあるようです。

このまま起動すれば良いのですが、"セキュアブート"に引っかかって USBドライブから起動できないことがあります。 この場合は、再び BIOS を起動し、「セキュリティ」タブに行き、 「セキュアブート」を選択、さらに「セキュアブート制御」を「無効」にします。

Ubuntu Live の起動

これで一応、USBドライブからの起動はでき、 Ubuntu12.04LTS のディスクを入れて起動してみると、 起動方法が選択できます。 「Try Ubuntu」を選択して起動します。

Ubuntu Live USBの作成

DVD-R ではなく USB からも起動できます。

用意するもの:

手順:
  1. USBメモリを母艦PCに差します。
  2. USBメモリに必要なものが入ってないか、点検します。 あれば、バックアップを取っておきます。
  3. 母艦PC上で usb-creator-gtk を起動します。
  4. 「使用するディスク」の「ディスクを消去」を選択し、 USBディスクをフォーマットします。
  5. 「インストール元ディスクイメージ(.iso)またはCD」で、 インストール元となる日本語Remix の ISO イメージを選択します。
  6. USBにデータ保存領域を作るかどうかを設定します。
  7. すべてが終わったら、「スタートアップ・ディスクの作成」を押します。
参考: Ubuntu kledgeb

インストール

proxy の設定

ネットワークの proxy 設定をしなければならない場合には、 ここの手順を踏みます。必要ない場合は次に進んでください。
  1. 有線LANがあれば、ケーブルを差しておきます。
  2. Ubuntu のインストールメディアの起動で、「Try Ubuntu」を選びます。
  3. Live が起動したら、歯車アイコンをクリックします。
  4. 「ネットワーク」を選んで、proxy の設定をします。

インストール

インストールメディアから「Try Ubuntu」を選択して起動したとします。
  1. 有線LANがあれば、ケーブルを差しておきます。
  2. 「ようこそ」は日本語を選択して「続ける」を押します。
  3. インストールの種類を選択します。
  4. タイムゾーンの設定をします。
  5. 管理者ユーザとホスト名の設定をします。
  6. インストールが終わるまでしばらく待ちます。

インストール後すぐの設定

/etc/hosts.allow

とりあえず他からの接続を禁止します。 必要であれば、後から許可を出していきます。
/etc/hosts.allow

ALL : ALL : deny

proxy の設定

  1. 設定
  2. ネットワーク
  3. メソッドは手動を選んでproxyを設定
  4. 必要なら再起動

アップデート

Dash で update と打って、GUI でアップデートする。

あるいはターミナルで次にようにする。

sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
sudo apt-get dist-upgrade

プライバシー

  1. 設定
  2. プライバシー
  3. 右下の「アクティビティの記録」をオフにする
  4. エラーレポートをCanonical に送りたくな場合は、 「診断」タブで「ロック解除」を押して認証してから、 「Canonicalにエラーレポートを送信する」のチェックを外して もう一度ロックしておく。

キーボードのカスタマイズ(英語化、CapsLock を Ctrlへ)

  1. 設定
  2. キーボードレイアウト
  3. 左下の + マークをクリック
  4. 英語(US)を探して、追加する
  5. 右下のオプション
  6. Ctrlキーの位置
  7. Ctrl と CapsLock を入れ替える、にチェックする
    ※ CapsLock を Ctrl として扱う、だと、emacs を使っているときに Ctrl でカーソルを移動すると範囲指定になってしまう。

IBUS の日本語入力方法を Shift+Space にする

  1. Dash
  2. input と入れて、「キーボード・インプットメソッド」を選ぶ
  3. 「切り替え」の一番右のボタンを押す
  4. 「モディファイア」の Control のチェックを外して、 Shift のチェックを入れる
  5. 「適用」を押す

shellの変更

例えば、tcsh に変更するには以下の通り。
  1. tcsh をインストールする
    sudo apt-get install tcsh
  2. 変更する
    chsh -s /bin/tcsh
  3. ログインしなおす

日本語化

ubuntu Japanese Team の日本語環境ページによると、 以下の方法で日本語環境が構築できます。
  1. 端末を開く (Ctrl-Alt-t)
  2. GPG鍵とレポジトリを追加する
    wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
    wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
    sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/precise.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
    sudo apt-get update
  3. パッケージをアップグレードする
    sudo apt-get upgrade
  4. 画面右上の「電源マーク」(歯車マーク)をクリックし、 「System Settings...」を選択する。 出てきた画面の右上に Language Support と打ち込み、 出てきた青いアイコンをクリックする。 出てくる言語サポートに日本語が含まれているかを確認する。 なければ、「言語のインストールと削除」から日本語を追加する。
  5. 日本語Remix CD に追加されているパッケージと同じものを、 以下のコマンドでインストールする。
    sudo apt-get install ubuntu-defaults-ja
  6. Language Support で日本語を選んでインストールしておく。
  7. たぶん、再起動しておくと良い。

Unity独特の挙動を消す

Unityの特徴として、 というものがあります。これらに慣れない場合は、 次の方法で無効化できるということです(未検証)。

グローバルメニューを無効にする

sudo sh -c `echo "export UBUNTU_MENUPROXY=0" > /etc/X11/Xsession.d/81ubuntumenuproxy`
この後、ログインし直します。 再び有効にするには、作ったファイルを消すといいそうです。
sudo rm /etc/X11/Xsession.d/81ubuntumenuproxy
この後、ログインし直します。

オーバーレイスクロールバーを無効にする

sudo sh -c `echo "export LIBOVERLAY_SCROLLBAR=0" > /etc/X11/Xsession.d/80overlayscrollbars`
この後、ログインし直します。 再び有効にするには、作ったファイルを消すといいそうです。
sudo rm /etc/X11/Xsession.d/80overlayscrollbars
この後、ログインし直します。

AeroSnapを無効にする

AeroSnapとは、ウィンドウを画面上端にぶつけると最大化して、 右や左にぶつけると画面の半分を埋める大きさになる、 というやつのようです。これを無効にするには、
sudo apt-get install compizconfig-settings-manager
でインストールしてから compizconfig マネージャを開き、 Windows Management プラグインで Grid のチェックを外すといいようです。 このあと、いったんログアウトしてからログインして試してみましょう。

画面の回転

画面の回転

Windows時と違い、Ubuntu では本体を回転しても画面は回転しません。 画面を回転するには、次のように打ちます。
xrandr -o normal (通常の方向に戻す)
xrandr -o right (右に90度回転する)
xrandr -o left (左に90度回転する)
xrandr -o inverted (180度回転する)
画面を指定する必要がある場合は、
xrandr
でスクリーンの名称を取得し
xrandr --output eDP1 --rotate inverted
などとします。

ポインタの回転

画面を回転させると、タッチスクリーンがポイントする位置もずれてしまいます。 そこで、xinput でタッチスクリーンのポイントも変換します。 まず、タッチスクリーンのIDを取得します。
xinput
この出力で、"eGalax Inc. GalaxTouch ..." となっているのが タッチスクリーンなので、これの ID を憶えておきます。 180度回転させるには、次のようにします。
(標準)
xinput --set-prop (タッチスクリーンのID番号) --type=float "Coordinate Transformation Matrix" 1, 0, 0, 0, 1, 0, 0, 0, 1
(右90度回転)
xinput --set-prop (タッチスクリーンのID番号) --type=float "Coordinate Transformation Matrix" 0, 1, 0, -1, 0, 1, 0, 0, 1
(左90度回転)
xinput --set-prop (タッチスクリーンのID番号) --type=float "Coordinate Transformation Matrix" 0, -1, 1, 1, 0, 0, 0, 0, 1
(180度回転)
xinput --set-prop (タッチスクリーンのID番号) --type=float "Coordinate Transformation Matrix" -1, 0, 1, 0, -1, 1, 0, 0, 1
コンマ(,)の後には空白が必要です。

ショートカットの登録

画面の回転についての操作を一度に行うような 適当なスクリプトを書いて実行権を与えておけば、 ショートカットに登録できます。
  1. システム設定
  2. キーボード
  3. ショートカット
  4. 独自のショートカット
  5. 真ん中下の +
  6. 適当な名前と、実行するスクリプトの指定
  7. 右の「無効」をクリックしてから、ショートカットにしたいキーを入力

参考: Ubuntu Weekly Recipe 第252回 コンバーチブルPCでUbuntuを使う

タッチパッドの無効化

キーボード入力中などに手がタッチパッドに触れるとうるさいことがあります。 以下のようにするとタッチパッドを無効化できます。
  1. xinput でデバイス ID を確認する
    xinput
    TouchPad という文字が見えるのがタッチパッドポインタです(たぶん)。
  2. 無効化する
    xinput set-prop (TouchPadのID) "Device Enabled" 0
  3. 有効化する
    xinput set-prop (TouchPadのID) "Device Enabled" 1
alias するか、適当なスクリプトを書いておくと良いでしょう。

日本語LaTeX環境の構築

基本

とりあえず auctex をインストールすると、emacs23 と texlive2009 が入ります。 ただし、この texlive は若干古く、UTF-8対応で、UTF-8 が使えないそうです。
sudo apt-get install auctex
latex コンパイルで日本語が通らないので platex を持つ ptex-bin を入れる
sudo apt-get install ptex-bin
xdvi で日本語が出ないのでxdvik-ja を入れる
sudo apt-get install xdvik-ja
jsarticle のために okukmura-clsfiles を入れる
sudo apt-get install okumura-clsfiles

xdvi-ja で日本語を表示させる

入力と出力を区別するため、入力行にはプロンプト ($ ) を付けます。

OpenTrue版のIPAフォントを入れる

$ sudo apt-get install otf-ipafont
フォント名を fc-listで確認する
$ fc-list | grep IPA
IPAゴシック,IPAGothic:style=Regular
IPA Pゴシック,IPAPGothic:style=Regular
IPA明朝,IPAMincho:style=Regular
IPA P明朝,IPAPMincho:style=Regular
/etc/texmf/vfontmap.d/ のファイルを避難しておく。
$ cd /etc/texmf/vfontmap.d/
$ sudo mv 20ptex-jisfonts.map 20ptex-jisfonts.map.org
$ sudo mv 20xdvik-ja.map 20xdvik-jalmap.org
$ sudo mv 30morisawa.map 30morisawa.map.org
/etc/texmf/vfontmap.d/ に ipa.map を作成する。
  /etc/texmf/vfontmap.d/ipa.map
  
@IPAMincho@ rml JIS-H % ASCII pTeX rmlv JIS-V % ASCII pTeX dm JIS-H % NTT jTeX rml-jis JIS-H % ptex-jisfonts @IPAGothic@ gbm JIS-H % ASCII pTeX gbmv JIS-V % ASCII pTeX dg JIS-H % NTT jTeX gbm-jis JIS-H % ptex-jisfonts
フォント情報を更新する。
$ sudo update-vfontmap

参考: My Emaps

インストールソフトウェア

トラブルシューティング

2014/07

アップデートマネージャーを起ち上げると、 "New hardware support is available" というメッセージがありました。 とりあえず "Install" ボタンを押すと "Hardware Enablement Stack (HWE) が 2014/08/08 でサポート切れますよ" というメッセージが出て来ました。 カーネルやグラフィックまわりのセキュリティーアップデートが 提供されないということのようです。

続いてインストール作業を続けると、 いろいろなものがダウンロードとインストールされます。 途中、「アプリケーション Compiz が突然終了しました。」 とか嫌なメッセージが出ますが、とりあえず放置して インストール作業が終了するのを待って再起動してみます。

再起動してからアップデートマネージャを起ち上げると、 "New hardware support is available" のメッセージが消えていましたので、どうやらアップデートされたようです。


Last modified: Tue Jul 29 14:48:56 JST 2014