KdV方程式に対するZakharov-Shabat系の微分Galois理論の意味での可積分性

逆散乱法を用いて,可積分系と呼ばれる非線形偏微分方程式の初期値問題の解
を解析的に求める際,Zakharov-Shabat系と呼ばれる線形常微分方程式系の固
有値問題を解く必要がある.しかしながら,これらの線形微分方程式は,必ず
しも,解が求積法で求められる,すなわち,微分Galois理論の意味で可積分で
あるとは限らない.本研究では,KdV方程式を取りあげ,
$u_0(x)=\alpha\sech^2x\ (\alpha>0)$ で与えられる初期関数に対して,
Zakharov-Shabat系の微分Galois理論の意味での可積分性を明らかにする.特
に,ある$n\in\Nset$に対して$\alpha=n(n+1)$であることが,
Zakharov-Shabat系が微分Galois理論の意味でつねに可積分になることの必要
十分条件であることを示す.
Last modified: Thu Feb 28 11:43:35 JST 2019