有理写像を用いた最尤推定復号について

通信システムにおいて信号が伝達されるとき,一般に,通信路においてノイズ
の影響を受け, 誤りが生じる.誤り訂正符号化は,信号に冗長性をもたせるこ
とにより,その信号の誤りを訂正する技術である.誤り訂正符号により変換さ
れた信号を元に戻す復号化の代表的なものとして,最尤推定復号があげられる.
この復号化は,任意の符号化に対して最小誤り率を実現する最良のものではあ
るが,計算量が多いため実用化は不可能に近い.最近,K. Hayashi and
Y. Hiraoka, Japan J. Indust. Appl. Math. 29 (2012), 37–62 は,
最尤推定復号を低計算量かつ高精度で近似する方法として,有理写像を用いた
近似的な最尤推定復号化を提案している.彼らは,ある有理写像を用いること
により最尤推定復号が実行可能であり,さらに,その有理写像がその不動点近
傍で簡単な多項式により近似できることを示している.彼らの提案した方法は,
その有理写像の近似を用いて最尤推定復号化を行うというものである.本研究
では,具体的な場合に対して数値計算を行い,その有理写像に対する彼らの近
似の精度を調べた結果について報告する.

Last modified: Thu Feb 2 17:25:14 JST 2017