量子計算において,量子状態のエンタングルメント (絡み合い) は重要な概念
である.量子テレポーテーションはエンタングル状態が重要な役割を果たす典
型例といえる.エンタングル状態は,部分系への局所的な操作が全体系へ波及
するという状態として量子計算には不可欠であるので,与えられた状態のエン
タングルメントの有無や度合いを知ることは重要である.本報告書では,
Mosseri と Dandoloff の論文 (2001) に従って,2キュビット状態のエンタン
グルメントについてさまざまな視点から考察する.第1に,密度行列から決ま
るフォンノイマンエントロピーを用いて2キュビット状態のエンタングルメン
トを特徴付ける.第2に,密度行列やフォンノイマンエントロピーが,2キュビッ
ト状態のホップ不変量により記述されることを示し,エンタングル状態のホッ
プ不変量による特徴付けを行う.この特徴付けの応用として,3キュビット状
態のエンタングルメントの特徴付けも述べる.