Colloquium

スツルム-リウビル4階差分方程式に対する振動解析

澤井 大基

4月12日(金) 13時30分

 ヴァイオリンやドラムの調波の研究から生じた問題としてスツルム-リウビル問題がある。スツルム-リウビル問題は、自己随伴な微分方程式であるスツルム-リウビル型線型微分方程式を適切な境界条件の下で解くことである。この方程式を解くことにより、固有地および固有関数が求まり、現象を解析することができる。
差分化は微分方程式に対する近似手法の典型例であるが、差分化の視点からスツルム-リウビル問題に取り組むためにスツルム-リウビル差分方程式に対する研究が開始された。差分方程式に対する振動解析は解の安定性や漸近挙動を理解する上で重要な解析であり、スツルム-リウビル2差分方程式に対する振動解析に関する定理はすでに明らかになっている。そこで、本研究では2階差分方程式に対する定理を4階差分方程式に対する定理に拡張し、より高次元の方程式を解析できるようにする。