Colloquium

リーマン多様体上の共役勾配法およびその収束性について

佐藤 寛之

7月13日(金) 13時30分

ユークリッド空間において,ニュートン法は収束が速いが目的関数の2回微分の情報が必要であるのに対して,共役勾配法は最急降下法と同じく1階微分の情報しか必要としない.しかし,共役勾配法は最急降下法より収束が速い上に,パラメータの選び方によっては大域的収束性を持つことも知られている. リーマン多様体上の共役勾配法についても,その収束性はユークリッド空間の場合と同様の性質を持つと考えられるが,その理論的な研究はほとんどされてこなかった. そこで,本発表ではユークリッド空間における共役勾配法をいかにしてリーマン多様体上に拡張するかを紹介した後,その収束性について議論する.

参考文献:
[1] P.-A. Absil, R. Mahony, and R. Sepulchre, Optimization Algorithms on Matrix Manifolds. Princeton University Press, Princeton, NJ, 2008.
[2] S. T. Smith, Optimization techniques on Riemannian manifolds. In Hamiltonian and gradient flows, algorithms and control, Fields Inst. Commun., 3:113-136. Amerl Math. Soc., Providence, RI, 1994.
[3] J. Nocedal and S. J. Wright, Numerical Optimization. Springer Series in Operations Research. Springer-Verlag, New York, 1999.