Colloquium

リーマン多様体上の最適化による非剛体の3次元形状復元

荒川 裕太

5月18日(金) 13時30分

非剛体の3次元形状復元問題とは、単一のビデオカメラによって撮影された動画像から、 変形する被写体の3次元形状とビデオカメラの動きを復元する問題である。 この問題は、被写体の特徴点の画像内座標からなる観測行列を、カメラの動きを表す行列と 被写体の特徴点の3次元空間座標からなる行列に分解する問題として定式化される。 理想的な観測行列の場合、特異値分解による分解が有効である。 しかし、一般的な状況下での撮影、特徴点の追跡の自動化を考慮すると、 理想的な観測行列が得られることはなく、ノイズに強い分解手法が求められる。 その点、最適化による行列分解の方法はノイズを考慮した目的関数の設定が可能である。 今回は、3次元形状復元問題を紹介し、最適化問題としての定式化とその解法について述べる。

参考文献:A. Shaji and S. Chandran, Riemannian Manifold Optimization for Non-rigid Structure from Motion, IEEE CVPR workshop, 1-6, 2008.