Colloquium

制御ラグランジアン法の拡張とTwisted Kane-Sher modelへの応用

熊谷充敏

11月04日(金)13:30

Bloch等[1]によって提案された制御ラグランジアン法とは,(対称性を有する)ラグランジュ系に対する制御手法の一種である. そのキーとなるアイデアは,制御入力付きのオイラー・ラグランジュ方程式と,別の"制御入力なし"のオイラー・ラグランジュ 方程式を同一視することである.新しいオイラー・ラグランジュ方程式には外力が働いていないので,そのエネルギーがリアプ ノフ関数の候補になり,元の系の制御入力は2つの微分方程式が同値であるという条件から自動的に導かれるという特徴が ある.
今回はまず,[1]で得られた結果を拡張することを試みる.具体的には,[1]では配位空間に作用するリー群を可換群に限定し, 2つの微分方程式が同値であるための十分条件を求めていたが,我々は可換群に限らず一般のリー群が作用している場合に, 1)もとの系が対称性を持つ場合に新しい系もまた対称性を持つための十分条件. 2)2つの微分方程式が同値であるための十分条件. の2つを導出する.最後に,その結果をTwisted Kane-Sher modelに適用する.

[参考文献]
[1] Bloch AM, Leonard NE, Marsden JE. Controlled Lagrangians and the stabilization of mechanical systems : The first matching theorem. IEEE Trans Automatic Control 2000; 45(12): 2253-2270
[2] Bloch AM, Chang DE, Leonard NE, Marsden JE. Controlled Lagrangians and the stabilization of mechanical systems : Potential shaping. IEEE Trans Automatic Control 2001; 46(10): 1556-1571
[3]松中 宏樹,"捻りを加えたKane-Sher modelのポート・ハミルトン形式での制御", 京都大学大学院情報学研究科 数理工学専攻修士論文(平成21年度)