Colloquium

モノポール周りの荷電粒子の古典論的散乱問題

山脇 拓也

1月28日(金) 13時30分

 多数の入射粒子の平行ビームを固定されたモノポールに照射したときに, 散乱された粒子が侵入できない領域を影領域と呼んで, その幾何学的性質を調べる. Rutherford散乱の場合は, 影領域の境界は回転放物面になることが知られているが, モノポール場による荷電粒子の散乱で形成される幾何学的形状を調べる. そのことによって, モノポール場の力学系の大域的な幾何学的性質を明らかにすることが目的である. そのために, モノポール場における荷電粒子の運動を厳密に解き, 解軌道族を特徴づける衝突径数と呼ばれるパラメータで表し, 曲線族の包絡面を求めることで影領域の境界面を決定することができる.
 前回のコロキウムでは, 数値計算によって得られた包絡面の様子を3次元的にしか描くことができなかったが, 循環座標を用いて2次元的に描写される包絡面を紹介する.