Colloquium

新しい観点からのグラスマン多様体上の最適化アルゴリズム

佐藤 寛之

1月14日(金) 13時30分

最初に,ユークリッド空間における最適化手法と多様体上の最適化手法について復習した後,グラスマン多様体上の最適化アルゴリズムを紹介する. その際,グラスマン多様体が,階数一定の射影行列全体からなる集合と同型であることを示し,グラスマン多様体の幾何を概観する.

前回の発表では,グラスマン多様体上のニュートン法において,各反復で解くべきニュートン方程式が複雑であり,簡単には解けないことを紹介したが,滑らかな目的関数に対しては,ニュートン方程式をリヤプノフ方程式に変形できることが示せたので,詳しく報告する. また,数値解析ソフトであるMATLABを用いると,リヤプノフ方程式を数値的に解くことができるので,実際にニュートン法を実行することができる. そうして得られた数値計算結果も併せて紹介する.


参考文献:
[1]P.-A. Absil, R. Mahony, R. Sepulchre, Optimization algorithms on matrix manifolds, Princeton : Princeton University Press. (2008)
[2]A. Edelman, T.A. Arias, Steven T. Smith, The geometry of algorithms with orthogonality constraints, SIAM J. Matrix Anal. Appl. (1999)
[3]Z. Gajic and M. T. J. Qureshi. Lyapunov Matrix Equation in System Stability and Control. Academic Press, Inc. (1995)