Colloquium

有限時間カルノーサイクルにおける最大仕事率時の熱効率

森嶋 豊幸

12月10日(金) 13時30分

カルノーサイクルは熱効率を最大化する熱機関だが、1サイクルに無限の時間を要するため仕事率は0である。 現実的な熱機関は有限時間で、非平衡状態で動作しており仕事率を最大化することに重点が置かれる。 そこで1サイクルにかかる時間を有限としたカルノー的な熱機関を考え、これを有限時間カルノーサイクルと呼び最大仕事率時の熱効率を考える。 CurzonとAhlbornによってこの熱効率は熱源の温度だけによって決まることが導かれ、CA効率と言われている[1]。 しかし、CA効率を導く際に非平衡時には成り立たない仮定が使われている。 そこで、修正した仮定のもとで熱効率を理論とシミュレーションで解析する。

参考文献:
[1]F. L. Curzon and B. Ahlborn, Am. J. Phys. 43, 22 (1975).
[2]F. Angulo-Brown and R. Paez-Hernandez, J. Appl. Phys. 74 2216 (1993)