Colloquium

ケプラー問題の幾何

山脇 拓也

5月21日(金) 13時30分

前回のコロキウムでは古典系におけるケプラー問題において,E<0の楕円軌道に対してその速度ベクトルが原点が内部にある円軌道をなすことを見た.
今回は古典系でE=0の放物線軌道とE>0の双曲線軌道に対して,それらの速度ベクトルがそれぞれ原点を通る円軌道,原点が外部にある円軌道の一部に対応することを見た後でそのような速度円が決まるとそれから軌道が一意的に定まることを示す.
そしてこれら3つの軌道の速度円は,Levi-Civitaパラメータを導入することで一つの多様体の測地線 と対応することがわかることを示す.
最後にモノポール周りの荷電粒子の運動について簡単に紹介する.

[参考文献]
[1] J.Milnor, On the geometry of the Kepler problem, Amer. math. Monthly, vol.90, 353-365 (1983)