Colloquium

シュティーフェル多様体上の最適化問題

佐藤 寛之

4月23日(金) 13時30分

本発表では行列多様体上での最適化問題を取り扱うが,まず最初にこうした最適化問題を考える動機を述べる.
その一例として行列の特異値問題を取り上げ,この問題が行列多様体の一種であるシュティーフェル多様体上での最適化問題に帰着されることを紹介する.

そして,例として取り上げたこの最適化問題の目的関数に現れるパラメータを,シュティーフェル多様体の計量に取り入れてしまう方法を説明し,その計量を採用した際に,シュティーフェル多様体上の測地線方程式などがどのようになるかについて議論する.

参考文献
[1]P.-A. Absil, R. Mahony, R. Sepulchre, Optimization algorithms on matrix manifolds, Princeton : Princeton University Press(2008)
[2]A. Edelman, T.A. Arias, Steven T. Smith, The geometry of algorithms with orthogonality constraints, SIAM J. Matrix Anal. Appl. (1999)